コラム

派遣エンジニアのコミュニケーション術
スキルアップした今こそ、派遣先でのコミュニケーションを見直そう

比較的長く同じ派遣先で就業していたり、色々な派遣先を経験してきたりすると、気が付けば自分がその現場の中で一番経験のある立場になっていたことはありませんか?駆け出しのエンジニアの未熟さや不慣れさに触れた時、「やり方が効率的ではない」「判断が違っている」「原理原則から外れている」など、やきもきしてもどかしくなってしまうこともあると思います。

今回は、スキルアップした今こそ見直したい、派遣先でのコミュニケーション術についてご紹介します。

下積みのような時期を乗り越えて

多くのエンジニアのスタートというのは、ドキュメントの修正、議事録係などのプログラミングとは程遠いポジションから始まります。その後テスターや運用など少しずつコードに触れるようになり、やがて小さい規模からコードを書き始めます。ある程度のコードが書けるようになると部分的なモジュールを把握できるようになるため、今度はモジュール改修のための設計をするようになります。

このように、それぞれ少しずつ道は違うかもしれませんが、中堅エンジニアの皆さんは一歩一歩地道にスキルアップを行ってきたのではないでしょうか。そして、着実にスキルアップしていく中で、自分に任せてもらえる工程や規模も大きくなり、コードレビューをされる側からする側に代わるなど、派遣先からの信頼も厚くなってきていることを感じる場面も少なくはないでしょう。

「教えよう」、「間違いを正そう」と思ったときに気をつけること

さて、これまで書いたように、一定の水準以上のスキルを身に着けているエンジニアの場合、チーム内での信頼も厚いため、色々な場面でアドバイスを求められることもあると思います。また、開発以外の会議にも出席するなど、自分の仕事以外に他の人の仕事を見る機会が多くなってきているのではないでしょうか。

他人の仕事を見た時、どうしても自分から見て“足りない”と感じてしまうことがあると思います。それは書類の内容の甘さであったり、会議の進行であったり、議論の煮詰め方であったりその場面により様々ですが、この“足りない”と思ったことに対して「知らないことを教えよう」「この間違いを正そう」という思考が働きます。もちろんこういった思考は当たり前のことではありますが、そのような場面に遭遇した場合に、ぜひ気をつけてほしいことがあります。

エンジニアの“正論”で正すコミュニケーション方法に注意

成果物や工程に、不備や不足を感じる場面に遭遇すると、「正しいことを教えよう」「間違っている発言を正そう」「こうあるべき、を教えよう」と考えがちです。そうすると、どうしても常に“正論”を発言するようになってしまいます。

このエンジニアにとっての“正論”とはどのようなものでしょうか?

エンジニアとしてスキルアップすると、原理原則に従ったシステム構築ができるようになります。原理原則とはつまり「こうあるべき」といった美しいシステムとしての理想形であり、エンジニアはスキルアップをしていくとそのシステムに近づけるための方法、現状に足りないものを見つける能力が上がってきます。皆さんも「MVC」と言われたら、駆け出しの頃よりも今のほうがMVCの原理原則に基づいた美しいシステムを作れるのではないでしょうか?このような原理原則に近づけるために何をするべきか、という考え方が他の場面にも応用できるようになり、色々な場面で「こうあるべき」という意見を言えるようになります。この原理原則の核心を突くものこそ“正論”です。それゆえスキルを身につけたエンジニアは“正論”を見つける力が強くなります。

しかし、気をつけなくてはならないのは、そういった経験を積んだエンジニアだからこそ、極端な正論につい偏ってしまわないように注意する必要があるということです。

例えば、会議や何気ない打ち合わせの場において、つい極端な正論を発言してしまったとしましょう。こういった発言はその場では的を射た的確なものとなることが多く、参加者がハッとすることが多いのですが、あまりに相手の前提を無視してしまうと、その人に対して“全否定”になってしまうことがあるので注意が必要です。正論は言い方を誤ると「あなたの言っていることは全て間違えています。」と聞こえてしまいます。こうなってしまうと言われるほうはたまりません。確かに原理原則に照らし合わせると間違えているかもしれませんが、そのような状況が続いた場合、次第に正論を言う人に対して怯え、会議では発言が減り、部門から活気がなくなってしまいます。

ときには自分の考えとは違う意見を知ることも大切

新しいことを考えるときは間違えを含んだ意見も必要です。会議のやり方の一つに、間違った意見でもよいので案を出し合いながら、新たなイノベーションを生んでいく“ブレインストーミング”などのやり方もあります。ブレインストーミングでは相手の意見を否定しない、というルールが存在します。慣れないうちは他の人の発言の粗が見えてしまい、否定的な意見を言ってしまいたくなるかもしれませんが、ブレインストーミングは様々なアイディアの中から新しい捉え方、発見などを見出すことができ、エンジニアスキルとはまた違った能力を伸ばせる貴重な場です。また否定的なことを言わないルールのため、参加者と前向きで優良なコミュニケーションをとることができる場でもあるので、ぜひ活用していきましょう。

コミュニケーションのポイントは「相手の否定をしない」こと

先にも述べたように、エンジニアとしてスキルアップすると、原理原則に従ったシステム構築ができるようになり、正論を見つける力が強くなります。正論は注意が必要ですが、使い方を間違えなければ積極的に伝えるべきものです。

ポイントは「相手の否定をしない」こと。「それは違います」と否定から入るのではなく、会話の中で正論の方向に誘導することを心がけましょう。そのためには、発言した人の背景を考慮することが必要です。どういった事情があってこの発言をしているのか、どのような方向に議論を落ち着けたいと思っているのか、など発言をしている人の事情を考慮し、その上で自分の発言をしていくことが重要です。

コミュニケーション上手は技術以上に評価をされることも

エンジニアのスキルアップと言えば、新しい言語を覚えたり、最新の設計手法を身に着けたり、コーディングやテストの精度を上げたりといったことが重要視されますが、実はコミュニケーションもとても重要な要素となっています。エンジニアとしての仕事ができることはもちろんのこと、わかりやすく技術の内容を説明したり、技術以外に運用や企画が含まれる会議において、上手く双方の橋渡しをしてくれるようなエンジニアは非常に貴重です。そういった人は、持っている技術スキル以上に評価を受けて重宝されることも少なくありません。

ぜひ技術とコミュニケーションの両方を上手く組み合わせ、周りと気持ちよく働ける派遣エンジニアを目指していきましょう。

  • mixiチェック