コラム

また一緒に仕事がしたい!と思われるSEの3つのコミュニケーション術

派遣期間が終了しても「また来て欲しい!」と派遣先に思ってもらえたら嬉しいものです。しかし、なかには「しっかり仕事をしているはずなのに評価されていない気がする……」と悩む派遣エンジニアの方もいるかもしれません。派遣先から高い評価を得て、また一緒に仕事がしたいと思われるためにはどうすればいいのでしょうか?

実はその秘訣は、「コミュニケーション術」にあります。今回は、エンジニアに必要な、派遣先企業やエンドユーザー(派遣先からみたクライアント)との3つのコミュニケーション術をご紹介します。

エンジニアとコミュニケーションの関係

「エンジニアはコードを書く能力に長けていればよく、コミュニケーション能力は不要」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際のエンジニアの現場においては、営業やマーケティングといった方々と同様に、コミュニケーション能力の優劣が仕事の成否を分けると言っても過言ではありません。

たとえば要件定義で不明瞭な箇所を擦り合わせるといった場面でコミュニケーション能力が必要なのはもちろんですが、それ以外にも、「事前」のコミュニケーションのクオリティがとても重要になります。同僚からコードの内容について質問をされたり、スケジュールに関する打ち合わせをしたり、進捗を報告したり…。業務のなかで、コミュニケーションの場面はいくつもあります。これら、実作業の事前のコミュニケーションを上手に行うことで、やるべきことが明確になり、集中して自分の作業に打ち込むことができ、結果的に生産性を高めることができるのです。

また、当然ながら、ソフトウェア開発は一人で行うことはできず、チームワークが求められます。個々の技術力を最大限に生かすためには互いの信頼関係を築くことが大切であり、そこにはコミュニケーションが欠かせないのです。

ここでいうコミュニケーション能力とは、たくさんの人たちと気さくに話ができる、知らない人にも積極的に話しかけられる、といった能力のことを指しているのではありません。「伝える必要があることをわかりやすく正確に相手に伝え、相手から伝えられたことを正しく受け止め理解する」という、相互コミュニケーションの能力こそが求められているのだということを、覚えておきましょう。

エンジニアに必要なコミュニケーション術 ①交渉力

それでは、どのような場面でコミュニケーション術が大切になってくるのか、具体例を参照しながら確認していきましょう。

たとえば、エンドユーザーから急な仕様やスケジュール変更に対応するよう求められた場合を考えてみましょう。社内や自身のリソース的に可能なら対応すればいいのですが、物理的に無理があることもあります。そこで、もしあなたがプロジェクトリーダーであれば、あなたが矢面に立ち、エンドユーザーと折衝する必要が出てきます。

このとき、ただ単に「無理です」と伝えるだけでは、派遣先企業がエンドユーザーと築いてきた信頼関係を傷つけてしまう可能性が出てきます。こうした場合に、派遣先企業とエンドユーザー双方の合意点を探り、期限や納品物についての妥協点を調整する「交渉力」が、信頼を落とさず、要望を叶えるための重要な技術になってきます。

「急な変更となりますので、全てを期限までに対応するのは厳しいです。よろしければ、期限までに最低限実装が必要なところを取り急ぎ実装し、それ以外の点は期限を別途相談させてもらえないでしょうか。」そんな伝え方が、クオリティを担保し、ミスの少ない納品に向けた作業工程を構築していくために必要となるのです。

そうして、無事にエンドユーザーから「とりあえず期限までは◯◯の機能だけ実装してくれればよく、それ以外は後日でも良い」との了承を引き出したら、今度は派遣先企業である社内の関係各所との調整に入ります。そこでも、急なスケジュール変更で相手へ迷惑をかけてしまうような状態であれば、申し訳ないという気持ちを持ちつつ、真摯に経緯と依頼内容を説明する必要があるでしょう。

エンジニアに必要なコミュニケーション術 ②提案力

エンドユーザーから求められるエンジニアとは、必ずしも指示通りのものを納品してくれる存在というわけではありません。ユーザーの意図を的確に捉えたうえで、エンジニアとしての専門知識を生かした新たな提案ができることも求められます。「最新の技術を使えばもっと反応速度も良くなりますよ」「ここをこういう仕様に変えれば、UXはもっと向上すると思いますよ」などといった提案に対してエンドユーザーは「自分たちになかった視点を教えてくれてありがとう」という気持ちになるでしょう。

エンドユーザーの望みは、「期限を守った納品」に尽きますが、そこにより良い結果に繋がる代替案があるのであれば、積極的に提案してみるとよいでしょう。そうすることで、エンドユーザーからも信頼を得ることに繋がり、派遣先での評価も高まるはずです。

ただ一点注意したいのは、エンドユーザーの要望やニーズを頭ごなしに否定し、こちらの考えを一方的に押し付ける事態になってしまうことです。あくまでエンドユーザーの希望が最優先であることを忘れてはいけません。

エンジニアに必要なコミュニケーション術 ③理解力

派遣先で一緒に仕事をする担当社員から、「一緒に仕事をしたいエンジニア」と思ってもらうための第一歩は、「その担当社員がどのような価値観を持っているのか」「自分に何を求めているのか」を正しく把握することです。

仮にあなたが派遣エンジニアとして就業している派遣先に担当社員Aさん、Bさんがいるとします。あなたが理由にもしっかり言及しつつ、とある機能の実装を期日までに間に合わせるのがどうしても無理だ、と説明した時、Aさんは、「どうしても無理?それじゃ私のメンツが立たないよ」と状況を理解せず拒否反応を示す一方、同じ内容をBさんに説明すると、「なるほど、それでは仕方ないですね。別の代替手段を考えましょう」と理解してくれる。あるいは、何か失敗した時にノリさえ良ければAさんは許してくれるかもしれませんが、Bさんはしっかり客観的に評価し、マイナス評価を下すかもしれません。

このように、同じ「派遣先の担当社員」でも、その人の価値観・センスによって、とある事象に対する意見が全く違うというのはよくあります。正社員だろうが派遣社員だろうが、みんなそれらに振り回されることがあるのです。

そのため、まずは、一緒に仕事をする人のことをよく理解することが大切です。担当社員から、「自分の考えをよく分かってくれており、意図を汲み取ってくれるエンジニアだ」と感じてもらうことこそが、派遣先で求められるエンジニアであるための重要な要件、と言えます。相手を理解する能力もまた、コミュニケーション能力なのです。

相互コミュニケーションの能力に磨きをかけよう

エンドユーザーからも、派遣先企業からも、求められるエンジニアになるために一貫して必要なのは、相手をきちんと理解し相手にきちんと伝えられる力=相互コミュニケーションの能力であることがイメージいただけたかと思います。

どんな場面でも相手への配慮は必要であり、それは社外の人でも社内の人でも変わりません。お互いが気持ちよく働けるためには、相手が何を求めているのかを常に考え、その意図を汲み取るためのコミュニケーションが欠かせません。その上で、派遣先の上司に対しても柔軟にアイデアや改善案を提示できれば、「自分の求める答えを出してくれる頼もしい存在」という評価を得られ、「今後も一緒に働きたい」と思ってもらえるはずです。

今回は、エンジニアのコミュニケーション術について3つのキーワード「交渉力」「提案力」「理解力」をもとに解説してきましたが、いかがだったでしょうか?ご紹介した内容を参考に、派遣先企業やエンドユーザーからより求められる人材を目指し、ご自身のコミュニケーション術を磨いてみてください。

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